今回のテーマは、外科医パパの仕事についてです。
外科医パパは医師14年目の消化器外科医で、専門は大腸外科、内視鏡外科、そしてロボット外科です。
外科、消化器外科、大腸外科といくつかの分類がありますが、それぞれの違いについて詳しく説明します。
広い意味での【外科】とは?
外科には広い意味と狭い意味があります。
1. 広い意味での【外科】
手術を行う診療科のことを指します。例えば、
- 消化器外科(胃や腸などお腹の手術)
- 心臓血管外科(心臓や血管の手術)
- 整形外科(骨や筋肉の手術)
- 脳神経外科(脳や神経の手術)
- 泌尿器科・皮膚科・眼科・耳鼻科(手術を行う診療科)
これらを総称して【外科”系”】と呼ぶこともあります。
2. 狭い意味での【外科】
特に胸部や腹部の手術を専門とする科を指し、以下のような診療科が含まれます。
- 心臓血管外科(心臓や血管)
- 呼吸器外科(肺や気管)
- 消化器外科(食道、胃、小腸、大腸、肝臓、膵臓など)
このような診療科を、通称【メジャー外科】と呼び、それ以外の外科系を【マイナー外科】と呼ぶこともあります。
【消化器外科】とは?
次に消化器外科。
【消化器】とは食べ物が口から入り、排泄されるまでの「消化管」と、栄養を消化・吸収に関わる臓器のを言います。
消化器外科の主な手術対象
- 消化管(食道・胃・小腸・大腸・肛門)
- 消化液を分泌する臓器(肝臓・膵臓・胆嚢・胆管)
- その他の疾患(虫垂炎(盲腸)、鼠径ヘルニア(脱腸)など)
大学病院やがん専門病院などの大きな病院では虫垂炎や鼠径ヘルニアなどの手術はあまりやらない(専門性の高い手術をしなければならないので時間的にもできない)ですが、いわゆる市中病院(普通の病院)ではよくこれらの手術もするので、【一般外科】とか単に【外科】などと言うこともあります。
消化器外科の仕事は、手術だけでなく、術後の経過観察や退院後のフォロー、がん患者の抗がん剤治療も含まれます。海外ではひたすら手術だけをし続けている外科医もたくさんいますが、日本の外科医は手術をした後、退院まで患者さんの経過を診ていますし、退院後の外来でのフォローも自分たちでしています。また、現在の消化器外科の手術はがんの手術が多いので、がんの治療として化学療法(抗がん剤の治療)を外科医がしていることも多いです(消化器内科や腫瘍内科の先生にお願いすることももちろんあります)。
【大腸外科】とは?
では、次に大腸外科。
消化器外科の中でも、大腸(小腸から肛門までの通り道)を専門に扱うのが大腸外科です。
現在の外科医は、特定の臓器や手術の専門性が求められます。昔のように「何でも手術できる」という外科医はほとんどいません。大腸外科医として、外科医パパは💩の通り道に関する手術を専門としています。
と言うわけなので、ドラマで見るようにどこの臓器でも手術します!みたいな外科医は現在はほとんどいないんですね。ましては脳の手術も、心臓の手術も、消化器の手術もする、なんて人は(少なくとも日本では)まずいません💦と言うか、無理です💦
【内視鏡外科】とは?
内視鏡とは、カメラを使って体内を観察・治療する手法です。
- 狭い意味の内視鏡 → 胃カメラ・大腸カメラ
- 広い意味の内視鏡 → 胃カメラ・大腸カメラ・腹腔鏡・胸腔鏡
外科医パパが行う「内視鏡外科」は、主に腹腔鏡手術を指します。
腹腔鏡手術とは?
- お腹に小さな穴(1cm程度)を開け、カメラを挿入
- モニターを見ながら専用の器具を使って手術を行う
- 傷が小さく、回復が早い
現在、多くの外科手術が開腹手術から腹腔鏡手術へと移行しています。腹腔鏡手術は特に制限はなく、どの外科医でもやっていいことはやっていいのですが、技術的には開腹手術より難しいので、専門資格(内視鏡外科技術認定医)というものがあります。これは自分で行なった手術のビデオを提出して審査を受け、合格した人が名乗れる資格で、ある一定以上の内視鏡手術の技術を有していることを証明するものです。だいたい毎年の合格率が2〜3割と難しい資格にはなりますが外科医パパはこの資格を取得しています。
【ロボット外科】とは?
最近注目されているのがロボット手術です。
ロボット手術とは?
- 外科医が手術支援ロボットを操作しながら手術を行う
- 繊細な動きが可能になり、手術の精度が向上
- 一般的なロボット「da Vinci(ダヴィンチ)」が有名
ロボット手術を行うには、メーカーの講習を受け、資格を取得する必要があります。外科医パパはこの資格を取得し、現在は指導の資格まで持っています。
まとめ
外科医パパは、消化器外科医としての専門性を活かし、
✅ 大腸外科医(💩の通り道を専門) ✅ 内視鏡外科医(腹腔鏡手術のプロ) ✅ ロボット外科医(最新技術を駆使)
として活躍しています。
ドラマに出てくる「何でも手術できる外科医」は現実にはほとんどいません。専門性が求められる現代医療において、外科医パパも日々研鑽を積んでいます。
これからも外科医パパの仕事について発信していきますので、ぜひご覧ください!
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